INTERVIEW

やまのべ焙煎所、
作り手たちのヒストリー。

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松本雄介
チーフバリスタ

やまのべ焙煎所 チーフバリスタ 松本雄介

なぜバリスタを目指そうと思いましたか?
キッカケは大した理由ではないということを前置きして。
高校を卒業して本当は大学に進みたかったのですが、親の意向で最初は大阪府警に入りました。
でも自分が望んで入ったわけではない&中学の頃に壊した足の後遺症が再発し走れなくなり、続けられる気がしませんでした。
ただ、明確に次に向かう場所を宣言しないと辞めさせてくれなかったんですよね。
そこで高校生のときに「スタバのお兄さんカッコいいなぁ」と思った程度のフワッとした理由で「バリスタになりたいので辞めます!」といって辞めました。

辞めた日にバリスタになる方法を調べて、3日以内に採用までこぎつけました。
公務員を辞めるのって、やっぱり周りからすごい反対されるんですよ。「履歴書に一生傷がつくんだぞ」みたいなこともよく言われました。
でもそれを振り切って辞めたので、突き抜けてやろうとすごくがんばりましたね。
バリスタとして今まで努力したポイントを教えてください。
これ!というものはありませんが、その時その時に自分に足りないスキルを磨くことでしょうか。

一流のバリスタとは何か?を常に考えて、コーヒーやエスプレッソを学ぶためにカフェやバールで働いたり、ワインやカクテルを学ぶためにバーやレストランで働いて料理やドリンク全般を学んだり、究極はサービスマンだとおもっているのでサービスの勉強をするために5つ星ホテルで働いた時期もありました。

一店舗のサービス従事者なだけではやれることに限界があるので、店長になってみたりインターネット上でオンラインサロンをしたりブログを書いたりコーヒー豆を売ったり、幅を広げるためにいろいろ試しましたね。

正直、最初のキッカケとしては皆さんみたいに大仰ではないのですが、そこからプロ意識を持ってどうがんばるかはその人次第であって、キッカケなんてどうでも良いとおもっています。
受賞歴などを教えてください。
受賞歴としては、
・2010年 第3回 BLENZ LATTE ART COMPETITION in TOKYO 全国4位
・2011年 COFFEE FEST LATTE ART COMPETITION in SEATTLE 世界大会ベスト16
・2012年 第1回 ZUMACCINO CUP in OSAKA 優勝
・2014年 第3回 LATTE ART JUNKIES CUP in NARA 準優勝
・2014年 第1回 COFFEE FEST LATTE ART WORLD CHAMPIONSHIP OPEN TOKYO 世界大会出場

審査員としては、
・SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会):JAPAN COFFEE IN GOOD SPIRITS CHAMPIONSHIP ビジュアル/テクニカルジャッジ
・SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会):JAPAN LATTE ART CHAMPIONSHIP ビジュアルジャッジ
・Cafe One主催:LATTE ONE 審査員
その他大会多数

他にも、
・コーヒー専門オンラインサロンを主催(世界初)
・コーヒー電子書籍を出版(世界初)
・コーヒー専門メディア編集長
など色々しています。
コーヒーの抽出を行う上で何を大切にしていますか?
求めている答えではないかもしれませんが、一言でいうと「バランス」ですね。

それは味かもしれないし、サービスかもしれないし、提供スピードかもしれないし、雰囲気かもしれないし。
どれかが一つでも欠けていると、違和感が残って「おいしい」につながらない。
極例ですけど、大会で優勝したすごいバリスタが淹れたコーヒーでも、トイレの中やゴミ箱の前で飲んだら美味しくないですよね。

レストランで料理は美味しかったけど、サービスが悪くて残念な気持ちになった経験ありませんか?
その日の天気やお客様の体調を会話や顔色で伺ったりして、総合的に目の前のお客様が今一番求めているものはなんだろうか、を考えてそのときにベストなバランスで商品を調整するようにしています。

「これが美味しいんだ!ドヤー!」ってすごく独りよがりで、アーティストなら良いのかもしれないですが、サービスマンとしては全然ダメだとおもうんですよ。
極力そうならないように気を付けつつ、味の調整はすごく奥が深いので常に抽出や焙煎の勉強をし続けています。
ラテアートにも適した豆ってあるんですか?
一般的には深煎りのほうがコントラストが出て~~と言われがちなのですが、厳密にいうと注ぎ方が違うので一概には言えません。
いわゆる「流す系」のフリーポアラテアートをする場合は、エイジングをある程度とった中煎り~中深煎りのほうが流すときの引っ掛かりが少ないので描きやすいとおもいます。

では浅煎りでは無理かというとそうでもなく、豆というよりそれに対応できる技術のほうが大事かもしれませんね。
海外のラテアート大会だと、超浅煎りでエイジングも昨日焼きました、みたいなクレマも薄くブクブクですごく描きづらいものもあるのですが、普通にキレイに注ぐ人がいるので対応力があればどんな豆でも大丈夫だと思います。

しかし慣れるまではどうしても難しいと思うので、最初は中深煎りぐらいから始められるのが良いでしょう。
ただ、ラテアートが上手い=美味しいではないという理解は必要です。描く技術と抽出の技術はまた別のポイントなので。

見た目は悪いが味は良いというのも微妙ですが、見た目は良いが味は悪い…というのはそれ以上に微妙だと思うので、どちらもバランス良く練習することをオススメします。
バリスタとして次なる目標は何ですか?
現状これ!という目標はないのですが、「今」を感じながらその時々に目標を変えながら進むようにしています。

昔と違い、今は多種多様なバリスタ像があるとおもいます。
時代に沿って発展していくものなのでどれも素晴らしいとはおもうのですが、全てにおいて外してはならない普遍的なポイントというものがありますよね。

そういう部分だけは外さないようにしながら、つまり方向性は見失わないまま、その時その時の状況に合わせたベストを尽くすことが成長に繋がるとおもっています。
それは流行りに乗るというわけではなく、そのときに求められている場面でその技術や知識を高めていく。そのほうが軸はブレにくいです。
最後に一言お願いします!
それぞれのお店の形があり、それぞれのバリスタの形があり、それぞれのコーヒーの形があり。

現場で働いてきた経験のあるバリスタとして、これからバリスタを目指す人やカフェを開業される皆様をサポートできるバリスタとして様々なアドバイスができるよう、今後も技術の追求を行っていきます。